犬の危機管理と災害対策
9月も今日で終わり。
あっという間過ぎました・・・
9月20日〜26日は動物愛護週間でした。
法律で定められているそうです。
そんな期間があるというのを初めて知りました。
この期間は各地で様々なイベントが開催されていたようですね(*^^*)
さて、お散歩会主催の佐藤さんも愛護週間に因んで「犬の危機管理と災害対策」講座を開催されましたので参加してきました。
講座の前半は『日常での危機管理』
・家の中に潜む危険
・散歩中に起こり得る危険
・人と犬のトラブル
・犬同士のトラブル
・誤飲
・逸走
など・・・
後半が『災害への備え』についてでした。
2年前に茨城県で常総市の鬼怒川決壊による水害が発生しました。
その際 佐藤さんは数カ所の避難所でボランティアをされたそうです。実際の現場の様子や役に立ったことなどをお話してくれました。
災害時の実際のお話しはとても貴重だと思いますので、今回はこの講座後半での話をメインに記事にします。
迷子札の重要性
日常生活でも災害時においても迷子札がものすごく大切だそうです。
Twitterでも毎日のように「拡散希望」「行方不明」「迷い犬を保護しました」などの情報が出回っていますね。
この子達がみんな迷子札をつけていれば飼い主の元へ戻ることも もっと簡単なのかもしれません。
災害時は飼い主と離れ離れになってしまう犬猫もとても多いです。
東日本大震災でも多くのペットが行方不明のままになり、身元不明のまま亡くなった子も沢山いたそうです。
最近ではマイクロチップの装着も増えてきていますが、マイクロチップは読み取り器がある場所がかぎられているし、身元不明のままになってしまうことも少なくないようです。
また、首輪の裏側に記入してある場合も パッと見で確認できなければ気付くまでにとても時間がかかるそうです。たしかに・・・自分が迷い犬を保護したとして、わざわざ首輪を外して裏側まで確認はしないかも(^o^;
誰が見てもわかりやすい、鑑札や迷子札が保護した側としても飼い主側としても1番安心できますね。
ちなみに、狂犬病の注射済票でも飼い主の特定はできるそうです。
同行避難・同伴避難の違い
まず、この2つの言葉の違い。
避難所によりますが、大抵の場合は同行避難のようです。
環境省で推奨されているのも同行避難です。同伴避難ではありません。
・同行避難
避難所まで一緒に避難するが、動物は屋外待機
・同伴避難
避難所まで一緒に避難し、動物も屋内待機
この違いを知っておかないと他の利用者とのトラブルにも発展しそうですね・・・
常総市 鬼怒川決壊による水害
佐藤さんがボランティアで訪れた ある避難所での話がメインです。
この避難所で生活をしていた犬は5頭(たぶん5頭だった・・・6頭だったかも)なのですが、1頭1頭にそれぞれ濃いエピソードがあり、とても考えさせられました。
避難所生活で必要だったもの
避難所でのペットとの生活においてまず始めに必要だったものが犬具だったそうです。
首輪・リード・係留ワイヤー・犬小屋・名札(迷子札)
支援物資もどんどん届いていたようですが、ドッグフードやペットシーツがメインだったようです。
リードや係留用具などは盲点でした・・・
ホントに慌てている時は、鶴千代にリードをつけている余裕なんてないかもしれません・・・
そして、もっとも重要なのが名札。話の中で逸走してしまった犬もいたようですが、名札のおかげで戻ってこれていました。
環境への順応性と逸走
驚いたのが避難所生活中の20日間で5頭中の3頭が逸走してしまった話。そしてそのうちの1頭は逸走中 交通事故に遭い亡くなってしまったそうです・・・
3/5の確率って高すぎませんか?半数以上ですよ。
急な環境の変化によるストレスやパニックで逃げ出してしまう犬というのは多いようです。
今回の話に出てきた犬たちで順応性の高い子と そうでない子でかなり違いがありました。
順応性のある子は数日たてば落ち着いて過ごせるようになってくるけれど、そうでない子は最初から最後まで落ち着かない。落ち着かないといろいろな問題が出てくると思うのですが、そのうちの1つが逸走でした。
係留していてもいつのまにか金具がハズレていたり、係留ワイヤーの根本が抜けていたり・・・通常時は大丈夫でも非常時、犬が落ち着かずウロウロ歩き回ったりいろんな動きをするうちに外れてしまっていたそうです。
また、車に慣れている子は車での避難もスムーズですが、慣れていない子は まず車に乗せるので一苦労・・・そこでパニックになってしまっているので避難所へ到着してからもなかなか落ち着けずにいたようです。
亡くなってしまった子がまさにそれで、車に慣れていない・コロコロ変わる環境へついていけなかった・・・そして逸走。もうその場から逃げたくて逃げたくて仕方がなかったのかなと感じました。。いろいろなイレギュラーが重なって心を閉ざしてしまったような印象を受けました。。。
ペット連れの避難者数
実際にペットと一緒に避難所へ来る人は少ないのだとか・・・
佐藤さんも数カ所の避難所に訪れたそうですが、どの避難所もペット連れというのは数組だったそうです。犬も数頭だし猫は0、他にウサギが1匹とハムスターが1匹。
たしかに、自分だったらどうか?と考えてみると・・・おそらく避難所へは連れて行かないかな・・・車があるので、車生活が基本になると思います。
なぜかというと、避難所という多くの人が集まる場所で鶴千代が落ち着けるわけがないから。。。1番落ち着ける場所はどこかと考えると車ですね・・・
犬の災害対策
- 社会化・環境順致
- クレート・車への慣らし
- 首輪への慣らし
- 犬の預け先を事前に決めておく
常総市の水害エピソードでも書いていますが、環境への順応性のあるなしで様々なトラブルが防げるのではないかと思いました。順応できないためにパニックになり、攻撃性が出てくる可能性も0ではないですよね。
車への慣れについても、慣れていれば避難する際 車の乗り降りもスムーズですし、車での生活も可能ですよね。慣れていなければ乗せるのも一苦労、車生活なんて不可能かもしれません。
そういったことはすぐに慣れさせるのは難しいですよね。
『防災対策』というと、防災グッズを準備して満足してしまう人が多いのではないでしょうか??
実際、私がそうだったので(^o^;
もちろん、グッズの準備も大切だと思いますが、それ以上に上記で書いたような 様々なことへの『慣らし』という重要性に気がつくことが出来ました。
防災グッズはすぐに揃えることはできますが、『慣らし』については1日〜2日で準備することは不可能です。
日々の生活の中で少しづつ少しづつ いろんなモノ・コトへ慣らしておく必要があると思いました。
こちらの内容は↓でまとめられています。
つい最近、北朝鮮のミサイル発射時の避難・台風の中でのキャンプ と我が家でも鶴千代のクレートの慣れや車の慣れが役立ちました。
素直に「あー、鶴千代がクレートが好きな子・すぐに車に乗ってくれる子でよかった」と思いました。
いままで そこまで深く考えてクレートトレーニングや車への慣らしなど行ってきたわけではないのですが、スムーズにできることの重要性を身をもって感じました。